- 8月 31, 2025
ホントは怖い・・・インフルエンザの合併症と予防接種について

まだまだ残暑が厳しい昨今ですが、体調など崩しておられないでしょうか。「この暑さの中、なぜ今インフルエンザの話?」と思われるかもしれません。
例年では、10月頃から徐々にインフルエンザが増え始めてきます。ただ、インフルエンザは内服薬や吸入薬や点滴などいろいろな薬がでているため、「インフルエンザにかかっても早く診断を受けて服用したら大丈夫!」と、思っておられませんか?
本邦でのインフルエンザ発症数について
2020/21シーズン(コロナ流行期)は、コロナへの対策(マスク着用、外出自粛など)の影響で激減し、累積推計受診者数は 約1.4万人(約1.3〜1.4万人)でしたが、2022/23シーズンは全国で 約485万人2023/24シーズンは全国で 約1,824万人と2022/23シーズンを大幅に上回る規模となりました。2024年9月2日〜2025年1月26日の期間では約950万人のインフルエンザ感染を確認し、本年の流行シーズン(2025年9月~)も同程度の大規模な流行となる可能性があります。本格的な流行は11月~12月頃ですが、9月以降、更に増加する可能性が高いと考えています。
インフルエンザの発症率と合併症について
イタリア全土で家庭医(日本でいう、かかりつけ医)を2010年~2020年までに受診した計150万人の0歳~14歳の子供のうち、約9万人(6%)がインフルエンザと診断されました。一番かかりやすい年齢が生後6か月~4歳という報告があります。また、インフルエンザは稀(日本で年間100~200例)ですが「脳症」を起こす事があり、これはガイドライン(診断と治療方法)がある程度確立した現在においても、麻痺が出る・発達が大幅に遅れてしまう、などの重度の後遺症が約25%に起こり、死亡率が8~9%もあるという非常に怖い合併症です。また、脳症は1歳代が一番起こりやすいとされています。あと、熱性けいれんも起こしやすく、突然けいれんを起こして病院に搬送された先で初めてインフルエンザと診断されたという例も少なくありません。
インフルエンザワクチンと効果について
今までのお話から、インフルエンザ感染の最大の対応は治療ではなく予防ということがお分かりいただけたと思います。
インフルエンザワクチンの有効性に関して、たくさんの報告があります。一例ですが、アメリカで2010年~2014年の4年間で生後6ヵ月~17歳の小児を対象にワクチンに対するインフルエンザ感染と重症化の予防効果を調査したものではインフルエンザワクチンを接種した方が、しないお子さんより感染率が半分(2倍インフルエンザにかかりにくい)になったり、PICU(小児集中治療室)に入るような重症になる確率が1/4になる、ともいわれています。また、その調査では、インフルエンザで亡くなったお子さんの3/4(75%)がワクチンを接種していなかった、とも報告しています。
インフルエンザ経鼻生ワクチン「フルミスト」について
今年から当院では経鼻生ワクチン「フルミスト」を開始します。 「フルミスト」は今までの注射と異なり、鼻にスプレーするタイプのワクチンでアメリカでは2003年から使用されていますが、本邦では2024年から使用可能となりました。フルミストは本邦では2歳~18歳まで使用できます。フルミストは従来の皮下注射のワクチンと比較して発症予防効果や重症化予防効果が高いとされています。さらに注射と異なり痛みが無いことと年齢にかかわらず1回で済むことが従来の注射と大きく異なります。その分、値段が高くなります(皮下注射2回分より少し高い程度)ので、最終的には親御様・お子さんが決めていただくことになりますが、泉佐野市在住のお子さんに対しては皮下注射同様、補助金がでます。詳細は近日中に当院HPに掲載する予定です。フルミストは数に限りがあるので、お早目の予約をお勧めします。