食物アレルギーとは
食物を食べる、触れる、吸い込むことで、様々な症状が出る病気です。主な症状は皮膚のかゆみ・発疹・じんましん・咳・呼吸困難・腹痛や嘔吐、さらにはアナフィラキシー※など、命にかかわる症状を引き起こすこともあります。このような症状は体の免疫がその食物を敵と勘違いすることで起こります。頻度は乳児で10%、幼児は5%、小学生以上は3~4%であり、特に乳児期に多く認める疾患です。食物アレルギーは専門施設で正しい対応を早期から実施していくことが大切です。
※複数の症状が急速に悪化する状態
食物アレルギーの主な原因となる食物(アレルゲン)
乳幼児期の原因の多くは卵・牛乳・小麦で、0歳児では卵が60%程度、牛乳25%程度、小麦10%程度になり、1~2歳だと卵が30%程度、木の実類(アーモンドやクルミなど)25%程度、魚卵(いくらやたらこなど)15%程度、3~6歳は木の実類40%程度、魚卵20%程度、落花生15%程度となります。(下図参照)
(令和3年度 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書:消費者庁)
食物アレルギーの治療
治療の基本は正しいアレルゲン診断に基づく必要最小限の食品除去です。食べることを目指し安全に食べられる量をできるだけ毎日食べます。不必要な除去を続けると、原因食物を食べられないだけでなく、お子さんの成長・発達にも影響を与えます。
食物経口負荷試験(OFC:Oral Food Challenge)
血液検査の結果だけで食べられるかは分かりません。
食物経口負荷試験(OFC)は以下の3点を目的として行います。
①確定診断 ②安全に食べられる量の決定 ③除去解除の確認
そのためには実際に原因食物を食べる必要があります。安全を確保した上で院内にて原因食物を食べます。クリニックでこの検査ができる施設は実は多くありません。
当院の食物経口負荷試験の特徴
1.豊富なデータに基づいた実施
前院長時代より4000例を越える実施件数があります。豊富な食物経口負荷試験の統計データをもとにお子さん状態に沿った安全な食物経口負荷試験を実施します。
2.日本アレルギー学会認定のアレルギー専門医
食物アレルギーのみならずアトピー性皮膚炎や気管支喘息、アレルギー性鼻炎の相談もできます。
3.小児アレルギーエデュケーター※(PAE:Pediatric Allergy Educator)が在籍
日本小児臨床アレルギー学会認定のアレルギー疾患指導の専門看護師がいます。アレルギー疾患で不安なことなどいつでも相談できます。
※PAEは大阪府内に56人(全国で719名:2024年時点)
4.火曜日、水曜日、金曜日の週3回実施
午前8:30~食物アレルギー負荷試験を実施しています。主に小児アレルギーエデュケーターが対応致します。希望の曜日で予約が可能です。
5.アレルギー対応可能な総合病院との連携
市立貝塚病院小児科(アレルギー専門医が在籍)と連携をしています。稀ですがアナフィラキシーで入院治療が必要な場合でも対応できる体制を整えています。
食物経口負荷試験を含めた相談が必要なお子さんとは?
- 過去に食物アレルギーの症状が出たことがある
- 血液検査の結果のみで除去をしている
- きょうだいに食物アレルギーがある
- 乳児期にアトピー性皮膚炎がある
- 食物アレルギーが不安で離乳食が遅れている
食物アレルギーの診察時に伝えていただきたい内容
- 現在の食物の摂取状況
- これまでの採血結果(出来れば6か月以内に実施)
-
症状が出たときの
- 年齢(月齢)
- 摂取食物(商品名もできれば)
- 摂取量
- 摂取から発症までの時間
- 症状
- その後の対応(経過や受診や除去など)
以上の情報を参考に食物経口負荷試験を必要と判断した場合、実施日を決定します。
他府県など遠方の方も一度ご相談下さい。