子どもの便秘
便秘とは
便秘とは、うんちが長い時間出ない、もしくはうんちが出にくい状態のことをいいます。うんちの回数が週に1~2回程度、排便時に痛みを感じる、血が出る場合は便秘の可能性が高いです。うんちが常に直腸(肛門の手前にある腸)の中にとどまっていると、水分が腸に吸収されてだんだんと硬くなり、排便時に時間がかかる、肛門が痛むことで余計にうんちをしたくなくなってしまいます。この状況が続くと、うんちをしたいという気持ちも弱くなり、さらに治りにくくなってしまいます。
子どもの便秘の有病率(3歳~8歳)はおよそ15~20%といわれています。これは、1クラス30人とすると、5~6人が便秘ということになります。便秘を放置すると腹痛だけでなく、肌荒れや食欲不振にもつながるため、日々の生活がしんどいと感じてしまうようになります。
便秘かな?とおもったら早めの受診をおすすめします。
便秘の原因
便秘の原因のほとんどは、体質によるもので「機能性便秘症(きのうせいべんぴしょう)」と呼ばれます。母乳からミルクに変えたとき、離乳食を始めたとき、トイレトレーニング、保育園・幼稚園や小学校など集団生活が始まったときに便秘になりやすいです。
便秘の治療
うんちをなるべく腸の中にとどまらせないこと(宿便:しゅくべん:を減らすこと)が重要になります。生活習慣の見直し、食事の見直しを行い、それでも改善しない場合には、3日間排便を認めない時は浣腸を行う、便を軟らかくしたり出したりする薬(酸化マグネシウム・モビコール※)を処方します。
※もともと水分が減って硬くなった便(宿便)に水分を入れて柔らかくするという、初めての作用のお薬
日常生活で注意すること
生活習慣
朝に排便する習慣をつくりましょう。毎朝起きる時間、朝食を食べる時間のほかにトイレにすわる時間を設定します。朝食をしっかりとった後は大腸の動きが活発になるため、うんちが出やすくなります。朝食後にうんちが出なくても、したくなったら我慢せずにトイレに行くようにしましょう。
食事
腸の中のうんちの量が少ない場合、うんちが硬くなりやすく、排便が辛くなってしまいます。うんちの量を増やすために、食物繊維を積極的にとるようにしましょう。芋や豆類、野菜、果物、海藻などに食物繊維が多く含まれています。一汁三菜風をイメージして、小鉢のおかずをプラスするなど、バランスの良い食事を心がけてください。また、朝食のシリアルを「大麦」、「小麦ブラン」、「オートミール」のどれかに変更、加えるなども食物繊維を取ることにつながります。
生活習慣や食事の見直しで改善があまりみられない場合は薬による治療を行います。
薬による治療
腸の中にうんちが溜まっている場合には、宿便を取るために浣腸を行ったり、うんちに水分を行き渡らせて軟らかくすることで排便を促す薬(酸化マグネシウム・モビコール等)を用いて治療を行います。しっかりと治療を行うことで、便秘でない状態を少なくしていき、薬を減らしていくこともできます。ただ、慢性化した便秘症は治療に1年以上かかる場合もあるため、じっくりと治しましょう。
これって便秘かも?
排便のリズムは個人差がありますが、下記のような症状は便秘症の可能性があります。
赤ちゃんの場合は
- うんちをするとき、苦しそうにいきんでいる
- おなかがはっている
- 普段より哺乳後の嘔吐が多い
幼児の場合
- 便の回数が週に1~2回程度
- 気づかないうちに便が漏れてしまう
- 硬い便が続き、排便時に痛みや出血を伴う
お子さんの便のことでお悩みの場合は、当院までご相談ください。
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